院内感染防止・安全対策について


採血器具について
 採血については、ディスポーザブルの注射器と針を用い、採血後に採血管に分注する方式を以前から行っております。針や試験管は個人一人一人で廃棄されますので感染の危険はありません。
なお、新聞などで話題の微量採血用穿刺器は、開院以来使用していません。(微量採血用穿刺器はあくまでも患者さん個人が自己血糖採血などに用いるもので、個人で購入していただいています)

点滴・注射について
 点滴や注射は診察後に指示がされ、それから注射や点滴内容の調合がなされます。医師が電子カルテで指示し確認後に注射指示箋をプリントアウトします。その後看護師も指示箋と実薬を確認後調製し投与します。調製後直ちに投与しますので作り置きはあり得ません。
 場合によってはアレルギーや吐き気、薬剤臭などで気分不良などが起こる可能性がある事をあらかじめ説明しています。
 消毒用のアルコール綿は調製済みパック製品を使用(消毒綿は濃度管理や感染管理の観点から院内での調製はしておりません)

待合室での感染対策について
 咳が出る方にはディスポーザブルマスクを受付でお渡しして着用するようお願いしています。発熱が激しい方は直ちに処置室のベッドにご案内しています。ビル空調により常に換気されていますが、冬季などは空気が乾燥しないように加湿器を作動させています。

血液の付着しないリネン・検査機器など
 検査に使用のタオルは1回使用ごとに、すべて外注のクリーニングです。エコーゲルはティッシューペーパーで拭き取ります。(濡らしたタオルは細菌感染の危険があり使用していません)
その他の診断用医療機器はその機器の指針に沿った清掃をしています。

血液の付着する検査器具について
 当院では骨髄穿刺針が該当しますが洗浄後は、医師会臨床検査センターに委託してEOG滅菌を行っています。生検針は一回切り使用のディスポーザブルを準備しています。(採血は上記のとおり)

救急蘇生について
 心肺停止時の救急蘇生に関しては、医師がアメリカ心臓協会の救急蘇生講座(BLS:医療従事者一次救急、およびACLS:二次救命処置)の講習を受け合格しています。なおAEDは当ビル内の同じフロアの徳永クリニックに設置してあります) 救急時は広島市立広島市民病院救急診療部/救急救命センターまたは広島大学病院高度救命救急センターに搬送もできます。


参考資料

院内感染対策指針
2007.5. 10 作成
  おだ内科クリニック

1. 手指衛生

1-1. 個々の患者のケアー前後に、石鹸と流水による手洗いか、ウエルパスによる擦式消毒をする。
1-2. 使い捨て手袋を着用してケアーをする場合の前後も、上記同様に消毒をおこなう。
1-3. 目に見える汚れが付着している場合は必ず石鹸と流水による手洗いをおこなうが、そうでない場合は、ウエルパスの擦式消毒のみでも良い。
註1:手拭タオルはディスポーザブルのペーパータオルを使用する。
註2:洗面器を使用した手指消毒(ベイスン法)はおこなわない。

2. 手袋

2-1. 血液/体液には、直接触れないように作業することが原則である。血液/体液に触れる可能性の高い作業をおこなうときには、使い捨て手袋を着用する。
2-2. 手袋を着用した安心感から、汚染した手袋でベッド、ドアノブなどに触れないよう注意する。
2-3. ディスポーザブル手袋は再使用せず、患者(処置)ごとの交換が原則である。やむをえずくり返し使用する場合には、そのつどのアルコール清拭が必要である。

3. 個人的防護用具personal protective equipments(PPE)

3-1. 患者と濃厚な接触をする場合、血液/体液が飛び散る可能性のあると予測される場合は、PPE(ガウンまたはエプロン、ゴーグル、フェースシールドなどの目の保護具、手袋、その他の防護用具)を適宜選択し使用する。

4. 医用器具・器材

4-1. 滅菌物の保管は、汚染が起こらないよう注意する。汚染が認められたときは、廃棄、あるいは、再滅菌する。使用の際は、安全保存期間(有効期限)を厳守する。
4-2. 滅菌済器具・器材を使用する際は、無菌野(滅菌したドレープ上など)で滅菌手袋着用の上で取り扱う。
4-3. 非無菌野で、非滅菌物と滅菌物とを混ぜて使うことは意味が無い。

5. リネン類

5-1. 共用するリネン類(シーツ、ベッドパッドなど)はリネン洗濯業者(熱水消毒をする)に委託し再使用する。
5-2. 熱水消毒が利用できない場合には,次亜塩素酸ナトリウムなどで洗濯前処理する(250ppm(5%次亜塩素酸ナトリウムなら200 倍希釈)以上、30℃、5 分以上)。
5-3. リネンが血液で汚染されるおそれが強い場合は、あらかじめ使い捨てロールシーツなどを用い、使用後廃棄する。
註3 血液の付着したリネンは、血液を洗い落としてから次亜塩素酸ナトリウム消毒すべきであるが、汚染の拡散に十分注意する。

6. 消化管感染症対策

6-1. 糞便−経口の経路を遮断する観点から,手洗いや手指消毒が重要である。
6-2. 糞便や吐物で汚染された箇所の消毒が必要である。
6-3. 床面等に嘔吐した場合は、手袋、マスクを着用して、重ねたティッシュで拭き取り、プラスチックバッグに密閉する。汚染箇所の消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを用い、平滑な表面であれば、5%溶液の50倍希釈液を、カーペット等は10倍希釈液(5,000ppm)を用い、10 分間接触させる。表面への影響については、消毒後に、設備担当者と相談する。蒸気クリーナー、または、蒸気アイロンで熱消毒(100℃1分)することも良い。
6-4. 汚染箇所を、一般用掃除機(超高性能フィルターで濾過排気する病院清掃用掃除機以外のもの)で清掃することは、汚染を空気中に飛散させる原因となるので、おこなわない。

7. 患者の技術的隔離

7-1. 空気感染、飛沫感染する感染症では,患者にサージカルマスクを着用してもらう。一般の感冒症状で受診した場合も咳がある場合は受付にてサージカルマスクを渡し着用してもらう。
7-2. 空気感染、飛沫感染する感染症で、隔離の必要がある場合には、移送関係者への感染防止(N95 微粒子用マスク着用など)を実施して、適切な施設に紹介移送する。
7-3. 接触感染する感染症で、入院を必要とする場合は、感染局所を安全な方法で被覆して適切な施設に紹介移送する。

8. 感染症発生時の対応

8-1. 個々の感染症例は、専門医に相談しつつ治療する
8-2. 感染症の治療に際しては、周辺への感染の拡大を防止しつつ、適切に実施する。
8-3. アウトブレーク(集団発生)あるいは異常発生が考えられるときは、広島市中保健所(電話504−2412)と連絡を密にして対応する。

9. 抗菌薬投与時の注意

9-1. 対象微生物と対象臓器の組織内濃度を考慮した適正量の投与をおこなう。分離微生物の薬剤感受性検査結果に基づく抗菌薬選択をおこなうことが望ましい。
9-2. 細菌培養等の検査結果を得る前でも、必要な場合は、経験的治療empiric therapyをおこなわなければならない。
9-3. 特別な例を除いて、1 つの抗菌薬を長期間連続使用することは厳に慎まなければならない(数日程度が限界の目安)。
9-1. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)など特定の多剤耐性菌を保菌しているが、無症状の症例に対しては、抗菌薬の投与による除菌はおこなわない。
9-2. 地域における薬剤感受性サーベイランス(地域支援ネットワーク、厚労省サーベイランス、医師会報告など)の結果を参照する。

10. 予防接種

10-1. 予防接種が可能な感染性疾患に対しては、接種率を高めることが最大の制御策である。
10-2. ワクチン接種によって感染が予防できる疾患(B 型肝炎、麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ等)については、適切にワクチン接種をおこなう。
10-3. 患者/医療従事者共に必要なワクチンの接種率を高める工夫をする。

11. 医薬品の微生物汚染防止

11-1. 血液製剤(ヒトエリスロポエチンも含む)や脂肪乳剤(プロポフォールも含む)の分割使用をおこなってはならない。
11-2. 生理食塩液や5%ブドウ糖液などの注射剤の分割使用は、原則としておこなってはならない。もし分割使用するのであれば、冷所保存で24 時間までの使用にとどめる

註4:生理食塩水などの分割使用は,細菌汚染のみならず,B型肝炎やC型肝炎などの原因にもなる
註5:室温保存を義務付けている薬剤はない。誤解のないよう。冷所保存不可であれば、寒冷地で使えなくなる。

12. 医療施設の環境整備

12-1. 床、テーブルなどは汚染除去を目的とした除塵清掃が重要であり、湿式清掃をおこなう。また、日常的に消毒薬を使用する必要はない
12-2. 手が頻繁に触れる部位は、1 日1 回以上の水拭き清拭または消毒薬(界面活性剤、第4 級アンモニウム塩、アルコールなど)による清拭消毒を実施する。
註6:環境消毒のための消毒薬の噴霧、散布、燻蒸および紫外線照射、オゾン殺菌は、作業者や患者に対して有害であり実施しない。



厚生労働科学研究 安全性の高い療養環境及び作業環境の確立に関する研究班作成を改変